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揺れに強い家づくり/ 制震ダンパー「エボルツ」施工レポート

現場ブログ

揺れに強い家づくり/ 制震ダンパー「エボルツ」施工レポート

こんにちは、東商住建です。

このたび、市川パッシブハウスにて、制震ダンパー「エボルツ」の施工を行いました。現場での施工ポイントや実際に感じた知見を、レポートとしてまとめましたのでご紹介します。

工事概要

建物仕様:木造2階建て

工事内容:スケルトンリフォーム(内装解体 → 構造確認 → 補強 → 下地 → 仕上げ)

工事目的耐震性の底上げと繰り返しの揺れによるダメージ対策の追加

使用製品:BILSTEIN(ビルシュタイン)社「制震ダンパー evoltz(エボルツ)」

設置数量:8基

 

【主な仕様】

  • 設計耐用年数:60年
  • メンテナンス:不要
  • 耐久性能:100万回作動試験クリア
  • 動作環境:-20℃まで対応

耐震と制震、2つの技術で守る家

「耐震」は、太い柱や筋交いで建物をしっかりと強固にし、地震の揺れに「耐える」技術です。一方「制震」は、ダンパーが地震のエネルギーを吸収することで、揺れそのものを和らげる技術になります。

この2つの技術を組み合わせることで、より安全で、安心して暮らせる住まいを実現することができるのです。

市川パッシブハウスに「エボルツ」を採用した理由

今回、制震ダンパーとして「エボルツ」を選んだのは、性能の高さだけが理由ではありません。

私たち東商住建が最も大切にしたのは、「現場で確実に取り付けられて、トラブルなく施工できるか」という実務面です。

どんなに優れた製品であっても、実際の現場で「寸法が合わない」「配管と干渉してしまう」といった問題が起きれば、やり直しや工期の遅れを招いてしまいます。特にリフォーム工事では、既存の建物条件に柔軟に対応する必要があるため、施工性の確認は欠かせません。

採用を決めた3つのポイント

① 現場対応力の高さ

既存の建物状況を丁寧に確認しながら、効果的な壁ラインを柔軟に決定できる点が魅力です。リフォームでは、現場ごとに条件が異なるため、この柔軟性が大きな安心につながります。

② 耐震補強とのバランス

耐震補強だけでは、建物を「硬くする」方向に偏りがちです。そこに、揺れを吸収する制震の要素を加えることで、硬さと柔軟性を兼ね備えた、バランスの取れた地震対策を実現できます。

③ お施主様への説明のしやすさ

「地震が来ても、その後も安心して住み続けられる住まい」という価値を、お施主様にわかりやすくお伝えできることも大きなポイントです。技術的な裏付けを、暮らしの安心という言葉で伝えられます。


スケルトンリフォームだからこそ実現できた、最適な設置計画

制震ダンパーは、「どこにどう効かせるか」で性能が大きく左右されます。だからこそ、設置場所の検討が非常に重要です。

スケルトンリフォームの大きな利点は、壁の中の構造を直接確認できることにあります。今回の市川パッシブハウスでは、解体後に構造躯体が露出した状態で、次のような点を丁寧に検討することができました。


スケルトンリフォームの画像

  • どの壁ラインで効果的に制震性能を発揮させるか
  • 開口部や設備配管との干渉はないか
  • 既存材の劣化している部分を避けられるか

構造を”見える化”したことで、これらの検討を確実に行えたのは大きなメリットでした。事前に現場の状況を目で見て確認しながら計画を立てられたため、施工中のやり直しや想定外の追加工事をほぼゼロに抑えることができました。

施工で押さえておきたい重要ポイント

制震ダンパーは「取り付ければ終わり」という単純なものではありません。本来の性能を確実に発揮させるためには、施工時の丁寧な確認作業が大切になりますので、ここで少し解説します。

ポイント① 下地精度の確保(通り・直角・ねじれ)

下地精度をしっかり確保することで、制震ダンパーが正しく機能し、美しい仕上がりにつながります。

固定前に通り・直角・ねじれを丁寧に確認することで、以下のような問題を未然に防ぐことができます。

  • 取付位置のズレ
  • 仕上げ材の納まり不良
  • 完成後の異音や干渉

この確認作業を丁寧に行うことが、長く安心して暮らせる住まいづくりにつながります。

ポイント② 干渉チェックの徹底(断熱材・配線・ボード)

石膏ボードを張る前に、しっかりと干渉チェックを行うことで、スムーズな施工が実現します。ボード施工前に、以下の点を最終確認しておきます。

  • 断熱材の欠き込み処理
  • 電気配線の逃げルート
  • ビスを打てる範囲の確認

この段階での確認が、後工程をスムーズに進める鍵となります。

ポイント③ リフォームならではの柔軟な対応

スケルトンリフォームでは、解体後に建物の状態が明らかになることがあります。これは、より確実な補強計画を立てられるチャンスでもあります。

確認するポイントはココ

補強計画のための確認作業

  • 柱の状態
  • 土台の劣化の有無
  • 梁せいの実寸
  • 通りの確認

こうした現場の状況に合わせて、制震ダンパーの取付計画を柔軟に調整できるよう備えておくことで、最適な施工を実現できます。

 

施工を通じて実感したこと

今回の施工を通じて改めて実感したのは、図面通りに進めるだけでなく、現場の状況に応じて柔軟に判断することの大切さです。

リフォームでは、解体してみて初めてわかることが少なくありません。そのたびに「この状況なら、こう対応した方が良い」と現場で判断いたしました。

お施主様との信頼関係が何より大切

制震ダンパーのような目に見えにくい性能を持つ設備は、「なぜ必要なのか」「どんな効果があるのか」をわかりやすく説明することが特に重要です。

今回得られた施工上の知見や、お施主様とのコミュニケーションの経験は、今後の家づくりにも大いに活かせる財産となりました。特に、構造補強と制震のバランスをどう取るかという視点は、これからのリフォーム計画においても重要な判断基準になると感じています。

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